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はじめに
痴呆症や脳卒中は,発症予防,早期治療はもちろんのこと,発症後のケアも重要です.またパーキンソン病や脊髄小脳変性症などの神経難病は,現状では発症を予防することは難しいですが,薬剤やリハビリ,音楽療法などで進行を抑制したり,症状をコントロールしたりすることが可能です.これらの疾患について以下の3つの専門外来を行なっています.これらの外来は,問診,診察や説明に時間がかかるので予約制になっています.
■1.
物忘れ外来
基本的には,まず(1)問診,(2)診察(内科診察,神経内科的診察や記憶の検査),(3)血液検査を行います.痴呆症は1回の診察で診断することは難しく,正常であっても3ヵ月〜6ヶ月後にもう一度診察させていただく場合があります.痴呆症が疑われる場合は,頭部の画像診断(CT,MRIや脳SPECTなど)を追加します.
痴呆症には「治療が困難な痴呆」と「治療が可能な痴呆」があります.物忘れ外来の意義は,「治療が可能な痴呆」を治療が可能な時期に見つけて治療することと,「治療が困難な痴呆」を早期診断・早期治療を行ない,進行を遅らせることです.しかし現状では,「治療が困難な痴呆」の場合,進行を完全に止めることは不可能であり,最終的には患者への対応法や社会資源の利用法の説明となりますが,これらの事を知っていると,患者だけでなく介護者の「生活の質(QOL)」を改善することができ,また経済的にも大変重要なことです.
■2.
脳卒中外来
脳卒中(脳の病気で突然何かに当たったように倒れることを意味する)は,脳梗塞,脳出血やくも膜下出血などをひとまとめにしたものです.命に関わる病気ですが,救命できても運動麻痺,感覚障害,失語や痴呆などの後遺症を残す可能性の高い重大な病気です.一方,「無症候性脳梗塞」といって,気づかない間に脳梗塞が進行するタイプもあります.
ジャイアンツの長嶋茂雄氏の脳梗塞発症以来,報道されているように,脳卒中は予防することが大切です.脳卒中外来では,脳卒中をおこしやすい要因(危険因子)の発見,治療と生活指導に力を入れています.
脳卒中の診療態勢は「かかりつけ医」,「急性期病院」,「回復期のリハビリテーション専門病院」,「維持期の病院・施設」の4つのチームの病診連携(地域完結型と言います)が必要です.当院は「かかりつけ医」にあたりますが,主治医として脳卒中の一次予防(発病予防)・二次予防(再発予防)を行なっています.脳卒中を発症した場合は,可及的速やかに急性期病院に紹介します.また維持期には再びかかりつけ医として治療を継続します.
■3.
神経難病外来
原因不明,治療方法が未確立で,長期療養を必要とし,多くの困難をもたらす神経疾患で,行政対策の対象となっているもの(特定疾患)が神経難病と呼ばれています.しかし実際には,特定疾患でなくても,原因不明,治療方法がない神経疾患(広い意味での神経難病)はたくさんあります.
パーキンソン病や重症筋無力症など治療法に進歩がみられるものがある一方,筋萎縮性側索硬化症(ALS),脊髄小脳変性症,大脳皮質基底核変性症や進行性核上性麻痺などのパーキンソン病関連疾患,ハンチントン病など今なお本質的な治療法がないものがたくさんあります.
これらの疾患では.動作がのろくなる,手足がふるえる,バランスが悪い,うまく歩けない,筋肉がやせる,手足の麻痺,物が二重に見える,うまくしゃべれない,ふるえ,ぼけ,けいれん,体が勝手に動くなどの症状がいつのまにか出現し,緩徐に進行していきます.これらの症状があったり,自分の親,兄弟に出現する場合など「神経難病外来」の受診を勧めます.
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